誰しも一度は考える「そうめん」と「ひやむぎ」の違い
夏の定番食といえば「そうめん」や「ひやむぎ」が上げられますが、この両者の違いって何なの~って、思ったことがあるのは、私だけではないと思います。
という事、「そうめん」と「ひやむぎ」の違いについて、ちょいと調べてみました。
これがなかなか面白い。
という事で、分かりやすくお伝えしますね。
違いは「太さ」だけ???
結論を先に…
違いは太さです!
JASの規格では麺の太さの違いで「そうめん」「冷や麦」「うどん」「きしめん」を区別しているそうです。原材料も基本的に同じなので、太さで名前が違う…
あっけない答え…
しかし!
それでは納得もできず、さらに調べてみました。
もともと製法が違う!
そうめんは、手で延ばす。
ひやむぎは、切って作る。
これは大きな違いです!
確かに「手延べ素麺」は聞くが、「手延べ冷や麦」とは聞いたことがない。
熟練した職人が丁寧に手で延ばしていくのが素麺で、ある程度延ばした生地を包丁で切っていくのが冷や麦ということなんです。
歴史的背景の違い
「そうめん」は、7世紀頃に中国から伝わった「索餅」が起源らしく、日本では「麦縄」と言われていたそうで、この漢字を見たら、イメージしやすいですね。
その後鎌倉時代に油を塗って、さらに細く長くする技術の導入で、14~15世紀頃の室町時代には「索麺」⇒「素麺」と名前も変化し、普及したらしい。
一方「ひやむぎ」は、鎌倉~室町時代に「切麦」という名前で登場している。棒で延ばして、包丁で切る。これはまさに「うどん」だ!
そして、ざるうどんのように食べるものを「冷や麦」、温かい出汁で食べるのを「うどん」という風に区別していたそうだ。(細かい呼び名の変遷などは割愛します。)その過程で冷たい麺は細い方が食べやすいので、細麺になったのでしょうね。
つまり、簡単にいえば、
- 手で延ばして作るのが「そうめん」
- 棒で延ばして切って冷やして食べるのが「ひやむぎ」
- 温かい出汁で食べるのが「うどん」
ということになる。
技術革新が違いを曖昧にした
ではなぜ、その違いが、単に「太さ」のみに変わったのか?
それは製麺機を発明です。
明治以降、製麺機の普及により、「そうめん」も「ひやむぎ」も「うどん」も、全て機械が作るので、手で延ばすとか、包丁で切るとか、そんな違いは一切なくなったのだ。
なんという事だろう。
機械化によって違いが曖昧になってしまった。ゆえの「太さ」のみの違いなんですね…
しかしここで一つ問題が!
手延べ素麺の中には、JAS規格による太さ基準では「冷や麦」に分類されてしまうものがあるらしい。という事で、機械で作った麺と手作りの2つに分けて「太さ」で分類しているらしい。
冷や麦の色付き麺は何?
たまに「ひやむぎ」の中に、緑とか赤のように着色された麺が数本混じっていることがありますが、あれは何だろう?と思って調べてみました。
これは、「そうめん」と「ひやむぎ」を区別するための目印らしい。機械化によって、太めのそうめんと、細めの冷や麦の見分けがつかないことからの策だそうです。
なるほど、スッキリ。
人気はそうめん
「そうめん」と「ひやむぎ」の出荷量で見ると、素麺のほうが冷や麦の5倍ほどだそうです。
色々原因があるでしょうが、茹であがり時間にも関係がありそうですね。夏の暑い時に一刻も早く食べたいなら、素麺に軍配ですね。
ちなみに美味しい素麺の茹で時間は「1分20秒」
以前寿司職人さんから教えて頂いてからは、私はいつも1分20秒です。
こんな歴史的な背景や、違いを感じながら、しみじみ「そうめん」「ひやむぎ」を頂きたいと思います。
KA-TSU
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