【サン・ピエトロ大聖堂】観光の仕方、完全ガイド(ヴァチカン市国)

イタリア、ローマに行くなら『サン・ピエトロ大聖堂』は絶対に行くべし

イタリア、ローマ観光の最大の見どころの一つ『サン・ピエトロ大聖堂』。言わずと知れたキリスト教カトリックの総本山。ローマ市内にある世界最小国家「ヴァチカン(バチカン)市国」の中にあります。

キリスト教徒でなくとも、その大きさ、芸術性、歴史、文化など圧倒的なパワーを感じる場所ですので、イタリア、ローマに行ったなら、ぜひ訪ねて欲しい場所です。

なお『サン・ピエトロ大聖堂』への入場は無料。ただし、展望台は有料です。(後ほど詳しく)

『サン・ピエトロ大聖堂』の歴史

キリストの12人の使徒(弟子)の筆頭であったと言われる「聖ペテロ」(ペトロとも)の名前が由来の『サン・ピエトロ大聖堂』。「聖ペトロ」のイタリア語の読みが「サン・ピエトロ」ということで、「聖ペテロの大聖堂」という意味です。

元々は「聖ペテロ」のものとされたお墓を参拝するため、4世紀に創建された殉教者記念教会堂が始まりで、現在の聖堂は1626年に完成した2代目の建物。日本の江戸時代初期に当たる時に、こんな巨大な建物が建造されたとは、にわかに信じがたい程の巨大な、まさに大聖堂です。実際に世界最大級の大きさを誇るキリスト教の教会建築です。

ちなみに現在の『サン・ピエトロ大聖堂』への建て替えは苦難の連続だったようです。

当時老朽化の進んだ大聖堂を建て替えようとしたのは1377年が最初で、それも推進した教皇の在位が終わるとともに頓挫、その後1499年に別の教皇が思い立ち、1505年、さらに別の教皇の時に改築が決定。1506年に着工開始。しかし設計の変更や、当時の技術の限界、教皇や主任建築家の相次ぐ死、戦乱など、幾多の困難が、改築の行く手を阻んだ。

そして1547年頃にミケランジェロに白羽の矢が立つ。当時71歳の高齢を理由に断るも、押し切られ、責任者として、亡くなるまでの17年間、大聖堂建築に、まさに命を捧げた。財政難だったこともあってか、その間ミケランジェロは無給であったという。『サン・ピエトロ大聖堂』の基本設計は彼、ミケランジェロによるものです。

1564年のミケランジェロの死後、後継者等による努力の末、1626年に完成。1506年の着工から実に120年の歳月が経っているとは驚きます。さらには周辺や装飾などの整備でさらに50年の歳月がかかっているそうです。

『サン・ピエトロ大聖堂』の魅力

『サン・ピエトロ大聖堂』の魅力は、圧倒的なその存在感。大きさ、歴史、芸術性などどれをとっても威厳を感じる、偉大な建造物であり、神聖なる場所です。そこかしこにある、偉大な芸術家による作品の数々は、さながら巨大な博物館を見学しているよう。とにかく大きく、天井の高さには驚くばかり。そんな天井の絵やモザイクのタイルはどうやって作ったのかと、感心するばかりです。

とにかく『サン・ピエトロ大聖堂』の内部を見た時、多くの方はその巨大な建築物、芸術性に強く感激することでしょう。とにかくこれだけの建物を約400年も前に建てている事に驚きます。天井の高さが44m、聖堂の長さが186mということで、世界一の壮大な聖堂ですので、本当に驚きます。

独立国家だけど、パスポートも入出国手続きも必要ない

さて、『サン・ピエトロ大聖堂』は、ローマ市内にある世界最小の独立国家である「ヴァチカン市国」の中にあります。ちなみに「ヴァチカン市国」の敷地面積は東京ディズニーランド(0.52k㎡)より小さい0.44k㎡。独立国家ではありますが、ローマから「ヴァチカン市国」へ入国するのに特別な手続きも、パスポートも必要ありません。

ヴァチカン市国に入国するなら「和解の道」からがお勧め

ヴァチカン市国のメインストリートである「和解の道 (Via della Conciliazione)」。ここから観る『サン・ピエトロ大聖堂』の姿は格別です。ぜひ入国(特に無いも手続きはありませんが)するなら、ここから『サン・ピエトロ大聖堂』を眺めながら歩いて欲しいと思います。観光名所でもある「サンタンジェロ城」の前辺りから、このメインストリート「和解の道」へと、道が続いています。

「和解の道」とは、1870年から1929年まで続いた、イタリアとヴァチカンの対立が和解した際に、和解の印として、ムッソリーニにより整備されたヴァチカンのメインストリートです。

最寄りの地下鉄駅からだとこの写真の右手の方から、『サン・ピエトロ大聖堂』前の「サン・ピエトロ広場」に出てきますので、この眺めは楽しめません。そのような方は、後からでもぜひ、このメインストリートからの『サン・ピエトロ大聖堂』の素晴らしい眺めを楽しんで頂きたいですね。

巨大な「サン・ピエトロ広場」

サン・ピエトロ大聖堂の前にある巨大な広場が「サン・ピエトロ広場」。幅240mの楕円形で、収容人数40万人とも言われている巨大な広場です。中央には1世紀にエジプトからローマに運ばれたオベリスク(古代エジプト期の記念碑の一種)があります。こちらは16世紀末に「サン・ピエトロ広場」に移設されています。

この「サン・ピエトロ広場」を設計したのはバロック芸術の巨匠ベルニーニ。古都ローマを、現在のような美しい街に変貌させた彼は「ベルニーニはローマのために生まれ、ローマはベルニーニのためにつくられた」と賞賛され、以前は紙幣の肖像画に描かれた人物。ローマ観光の際には、様々な名所で彼の作品に出会えます。ベルニーニは、コロッセオをイメージして楕円形の広場を作ったと言われています。コロッセオで民衆が熱狂したように、この広場を劇場のように設計したそうです。ベルニーニの手により1656年から1667年で建設されています。

広場は4列に並べられた372本の石柱に囲まれ、その上には140体もの聖人像が広場に集まった人々を見守っており、まさに圧巻という言葉しか浮かびません。この柱にも仕掛けがあり、4列もあるため、外と広場が閉ざされているように錯覚するのですが、広場の中心にあるマーク「centro del colonnato(円柱の中心)」に立つと、円柱が重なり、1本の柱のようになり、開放的になります。閉じているのに、開かれてもいる場所というベルニーニのこだわりです。

なお、毎週日曜日の正午には、法王が「サン・ピエトロ広場」に集まった人たちを祝福します。法王が姿をお見せになるのが、『サン・ピエトロ大聖堂』に向かって右手の建物の最上階です。私はちょうどクーポラの展望台からお声を拝聴したことがあります。また、毎週水曜日の10時半からも謁見でお姿を拝見できるそうです。

『サン・ピエトロ大聖堂』への入り口

教会の開館時間は、4~9月は7:00~19:00、10~3月は7:00~18:30となっています。

入り口は『サン・ピエトロ大聖堂』に向かって右手、ベルニーニこだわりの石柱の間から反時計回りに進みます。

程なくすると人の列が見えます。最寄の地下鉄からだと、まっすぐこの行列に合流します。

入場に際し、まずはX線検査。空港のセキュリティーチェックの要領で金属製のものや、バッグなどをカゴに入れて、通過します。

『サン・ピエトロ大聖堂』の混雑状況

『サン・ピエトロ大聖堂』には常に世界中からの信者や、観光客が集い、大賑わいです。それゆえに、たしかに混雑しています。それは、このセキュリティーチェックのために、混雑して、なかなか入れないということです。

特に観光客の多い夏の観光シーズン、土日や、お昼前後は多いですが、冬場や平日、7時の開館後から午前中の早い時間帯、15時以降の夕方の時間帯は、そんなに混雑せずに、空いています。10分〜15分もあれば十分通過できるでしょう。特別な時を除けば、意外とすんなりと入れる感じです。

服装に注意

検査を通過したら、流れに沿って大聖堂に向かって右手の方を進みます。

その先で服装チェックです。教会は神聖なる場所ですので、肌の露出が多い人は入場を拒否されます。

ポイントは膝や肘が出ないこと。

ノースリーブやランニング、ショートパンツなどが厳禁です。またビーチサンダルも禁じられています。冬場はまず問題ありませんが、夏場に訪れる方は要注意です。ちなみに帽子もダメですので、脱いで入りましょう。

また、大型のバッグやベビーカーなども禁止されていますので、もしお持ちの方は、こちらで預けることになります。

入り口はふた手に分かれています

服装チェックの先にある、大聖堂への階段に人が向かっています。こちらから入場です。

しかし少しわかりにくいのですが、ふた手に分かれています。一つ(左)が大聖堂への列、もう一方(右)が大聖堂の一番上にある展望台への列です。展望台を見学する方は右側に並びます。

展望台は人気で行列なので、見学する方は、右に並んで、先に展望台を見た後に、大聖堂内をゆっくりと見学するのがお勧めです。

体力のある方はクーポラの展望台に登ろう

映画や写真などでよく目にするシーンが、『サン・ピエトロ大聖堂』のクーポラの展望台から観た壮大な景色です。クーポラとは教会建築にみられる、ドーム状の天井のことです。この上にある展望台は地上120m。かなりの高さです。

せっかく『サン・ピエトロ大聖堂』を訪れたなら、ぜひ登って欲しい場所です。しかし簡単ではありません。まずは行列に並ぶ点、そして大きな壁が「階段」です。チケット売り場にも「心臓が弱い方、体力のない方は上がらないように」と張り紙がしていますが、単なる脅しではありません。マラソンに3回出場、3回とも4時間ほどで完走し、体力に自信のある私でも、少々堪えましたので、運動していない方、年配の方、とにかく足腰や心肺機能、体力に自信のない方は、ご注意下さい。

右手の入り口から進み、並んで順番を待ちます。

入り口のセキュリティー検査より遥かに待つことになります。

セキュリティーチェックの倍以上の時間は待つと思って下さい。

ということで、午前早く…と言いたいところですが、その時間帯は一番良い景色が逆光のために、撮りにくい。ということで、良いお写真を撮りたい方は、並ぶことを覚悟でお昼以降が良いと思います。ちなみに入場時間は4月〜9月が7:30〜18:00、10月〜3月が7:30〜17:30となっています。

入場時間は入場料は2種類。全部階段で上ると6€(2016年11月現在)、途中までエレベーターだと8€で、支払いは現金のみ。途中までエレベーターで上がっても、残り320段の階段を登ります。全部階段だと、551段。私はどんなものかと、階段で制覇しましたが、体力自慢以外の方は、素直にエレベーターをお勧めします。

多くの方がエレベーターを選択しますので、階段はこのような感じで空いています。

200段以上登ると、クーポラの台座部分に出てきます。エレベーターはここまで。この後はエレベーターの方も階段を登ることになります。

正面の階段を上がり、クーポラの建物内に入ります。

このような軽めの坂の先に、クーポラの内部が待っています。

下からでは全く気がつかない場所です。厳重な金網から『サン・ピエトロ大聖堂』の中を見ることが出来ます。

壁には素晴らしいモザイクや天井画。

素晴らしき造形美。さすがミケランジェロの設計した芸術作品です。

クーポラは半周に渡って見学することが出来ます。

そして、いよいよ、展望台へ上がる300段以上の階段です。

階段は狭く一人ずつ、列になって進みます。それゆえ、途中で止まるということが出来ません。体力に自信のない方にとっては、苦しい時間となります。

どんどんと狭くなります。

クーポラのドーム状の周りを登っているので、このように斜めの状態が続きます。

ようやく少し広いところに出てきて、何人もの方が、休んでいます。

もう少しで目指す展望台です。

最後はかなり狭い螺旋階段。ロープが手すりです。

そしてようやく頂上。この絶景が待っています。

この景色を観ていると、苦しかったこともきっと吹き飛ぶでしょう。

展望台への階段は一方通行なので、帰りは別の階段からです。

途中、クーポラの台座で皆さん、名残惜しそうに、思い思いの時間を過ごしています。

ここからのクーポラも素晴らしいです。

展望台から小さく見えた聖人像も近くで見たら巨大です。

何しろこの上から見ていたんですからね。

ここにもバールがあります。

またこの階にはトイレもあります。

帰り道は、そのまま大聖堂内に

帰りもエレベーターと階段に別れています。

階段内もやはり素敵です。上りにはなかった余裕があるので、色々と楽しめます。

そして階段を降ると、こちらに通じます。こちらは大聖堂内から見た扉です。

『サン・ピエトロ大聖堂』内での注意点

まずは「見どころ」と言いたいところですが、禁止事項を。

やはりここは教会。神聖な場所ですので、はしゃいだり、大声を出す、携帯で話すなどは厳禁です。音楽を聴くのもダメです。

写真撮影はフラッシュを含め可能ですが、あまり強いフラッシュは人の迷惑になるので、避けたほうが良いでしょう。三脚は禁止されています。セルフィー用の自撮り棒は、今のところ禁止されていませんが、クーポラでは禁止されています。人も多いので、使用の際には周りへの配慮が必要です。

飲食は禁止。柱により掛かることも厳禁です。

また、ミサなどが行われている時は、信者の方以外入れない場所がありますので、ご注意下さい。とにかく神聖な場所ですので、静かに、マナーを守って、過ごしたいものです。

なお、あまりに迷惑をかける方は注意を受けたり、バチカン警察から連れ出されることもあるようなので、注意が必要です。もちろん、このブログをお読みの方には、そんな方はいないでしょうけど。

『サン・ピエトロ大聖堂』内の見どころ

1975年にガラッシ・パルッツィが著した本によると、大聖堂の美術品はトラヴェルティーノ像165体、ストゥッコ像125体、大理石彫像が110体、ブロンズ像40体があると記されており、そのひとつひとつが大作揃いである。祭壇画はほとんどがモザイクの複製画に取り換えられているが、これも膨大な数になる。聖堂内にある歴代教皇の墓は147基あり、多くは地下礼拝堂にあるが堂内でもたくさんの墓碑を見ることができる。(Wikipediaより転載)

ということでその膨大な芸術作品の一つ一つが見どころではあるが、やはり限られた見学時間なので、特に見ておきたいものをいくつか。

ミケランジェロ作の「ピエタ像」

まずはミケランジェロの作品「ピエタ像」。ミケランジェロが手がけた「ピエタ像」4作品の中で唯一完成した作品で、ダビデ像と共に、彼の最高傑作の一つと言われています。「ピエタ」とは「慈悲」などの意味で、「ピエタ像」とは、十字架から降ろされたイエス・キリストと、キリストを抱く聖母マリアの像です。場所は先程のクーポラから下りてきた階段の対面。クーポラに登らずに聖堂内に入場した場合は、入ってすぐの場所にあります。沢山の人がいますので、すぐに分かるでしょう。

ミケランジェロ設計のクーポラと、ベルニーニ作「ブロンズの天蓋」

先程登ったクーポラ。このミケランジェロの設計したクーポラの下にあるのが、「ブロンズの天蓋」。太く力強いねじれた柱が印象的な、高さ29mの圧巻の作品は「サン・ピエトロ広場」を手掛けたベルニーニによるもの。この真下に「聖ペトロ」のお墓があります。

ベルニーニ作「聖ペテロの椅子」

「ブロンズの天蓋」の奥、大聖堂の一番奥にあるのが、こちらもベルニーニの作品「聖ペテロの椅子」。内部に「聖ペテロの司教座」が埋め込まれているそうですが、元々「聖ペテロ」が使っていたと信じられていた司教座ですが、実際にはそうではないようです

まだまだ見どころは尽きませんが、その辺りはガイドブックなどに譲ります。

聖堂内を見学した後は

聖堂内を見学して階段を降りると、バチカンの衛兵が見えます。彼らは全員スイス人。スイスの教会から推薦された、選ばれし者のみが成れる名誉あるお務めのようです。

さらに進むと可愛い黄色のポスト。

イタリアは赤いポストですが、ここはバチカン。独自の郵便制度を有しています。ということで、切手もバチカン市国オリジナル。バチカン市国の旅の思い出にと、ここから郵便を出す方の行列が出来ています。是非という方は、こちらの郵便局にどうぞ。写真は日曜日なので営業していません。

『サン・ピエトロ大聖堂』基本情報

入場料:無料(ただし、クーポラの展望台、宝物館は有料)
入場予約:なし
開館時間:7:00~19:00(4〜9月)、7:00~18:30(10〜3月)
休館日:1/1、1/6、11/1、12/8、12/25、12/26(宗教行事のため観光客の入場は不可)

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KA-TSU

旅行会社に勤務することで旅好きとなり、旅人になるために独立。ガイドブックでは分からない、体験に基づく旅情報を発信しています。 また、SNS等を活用したwebマーケティングや、ビジネスプロデュースなどの依頼にも、極力お応えするようにしています。 私のSNSもぜひご覧ください。